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ランサーズのマッチングエージェント達には、それぞれに熱い想いや仕事選びの軸、叶えたい未来があります。普段の業務中にはなかなかお話しできないその胸の内をお伝えします。


ランサーズ インキュベーション推進室地域DXチーム マネージャー 篠原智美

地方自治体と地方創生に取り組んだ7年間

篠原の仕事の軸は、大地にどっかりと根を降ろし天に向かって伸びる大樹のように、揺らぐことがありません。

それは『人々が自分らしく幸せに働き続けられる社会をつくる』ことです。地方銀行、人材会社、起業家などを経てランサーズの門を叩いたのも、『それを実現するならここだ』と思ったからでした。

2015年頃から、ランサーズには国や地方自治体から『在宅ワーカーを増やしたい』という相談が多く寄せられていました。篠原はその事業化を推進した中心人物です。

「7年間、地方自治体の方々の悩みや相談をたくさん伺ってきました。多いのは、『住民に在宅ワークができるノウハウを身につけさせたい』。そうすれば企業誘致が難しい自治体でも、各住民が稼ぐことができるという考えです。進めていくうちに、人口減少に伴うIUターンや移住関係人口を増やす相談も入ってきました。当時のランサーズの登録者は100万人以上。その方々が先生として地域に行けばノウハウがたまり、お仕事をすればスキルが地域に届けられます。経済効果もあると考え、各事業を推進してきたのです。

昨今、コロナ禍で急激に在宅ワークやリモートワークは広がりました。しかし実は、コロナ禍が収まるまでひたすら耐え、結局、出勤体制に戻す会社も多いのです。わざわざ時代を逆行するのはもったいないことです。今こそ時代の変化を利用して意識改革し、経営者の方々に成功体験を積んでほしいと思っています」(篠原)

地域の信頼が厚く、地域のハブとなる金融機関様をパートナーに

自治体からは、企業のDX支援や地域住民の幸福度、就業率を上げていくための相談も頻繁にあります。現在、コロナ禍で副業や転職希望の個人登録者が激増し、ランサーズにも優秀な人材がこれまで以上に集まってきています。これは企業様にとっても非常にメリットです。

ただ、前述のように変革のチャンスに気づかない、または尻込みをしている企業様は多いのです。そこで、地域のDX支援をより円滑に進めるために『地域のハブとなる所と組みたい』と思いました。検討を重ねたところ、普段から経営者の方々が信頼して経営の相談をしている地方銀行様にパートナーになってもらうのが最適と思い至ったのです。

それが一番、経営者の方々に安心してお話を聞いていただけると。そこで、金融機関様に働きかけたり情報交換したりするようになったのが、本プロジェクトのきっかけです。

軸への共感があれば、想いはむしろ多様がいい

パートナー金融機関様とのコミュニケーションの前提として、『お客様のためを考える』、『未来の新しい価値を創造する』ところへの共感の有無を重要視しています。仲間として『一緒に地域企業の支援をしたい』と共感でき、ビジョンを共有できるかです。そこに至る想いや実現方法、アクションの仕方などはそれぞれの観点から多様でいいのです。

むしろ全く同じはありえません。この変化の時代、今までに実績がない新しいことをスピーディーにやるから価値があります。そこを価値として捉え、やる必要があると賛同いただけるからパートナーなのです。

パートナーになってくださる方は、金融機関のなかでも新しいものが好きで企業に提案したいタイプの方、新規事業や新しいプロジェクトを担当する方が多いです。行動力も素晴らしく、自分の足で人材会社さんと個人的なパイプをつくり、『きちんと銀行とのアライアンスにしたい』という方や、プロ人材拠点にしばらく出向していた方など多様な方がいらっしゃいます。

「想いの乗った言葉を使わない人と話しても、プロジェクトは推進できません。借りてきた言葉では会話自体が進まないのです。全部が本音でなくてもかまいません。腹を探り合う時間がもったいないので、私は全部オープンにお話しします。それでダメなら、今はタイミングではないだけのこと。実際のところ、全国の金融機関の中には、予想以上に『変わらなきゃ』『勉強しなきゃ』という方がたくさんいらっしゃって、そういう方々と今プロジェクトに取り組めていることが非常に嬉しいです」と篠原は言います。

豊かな情報を発信して、北風より太陽のようでありたい

ランサーズが持つノウハウは、できるだけ金融機関様にお伝えしています。その結果、組んでいただけるのが一番ですが、ノウハウを知って独自でアクションされたとしても、大局で見たら地域が良くなることに変わりないからです。外部人材を使うことで企業の競争力が上がり、世界でも活躍する中小企業が出たら、日本経済ももっと元気になります。ですから情報は出し惜しみしません。ただ、結果的に『情報も経験も豊富なランサーズと組みたい』と言ってくださる金融機関様が増えています。

「お話ししていると、かなりの頻度で『東京のIT会社さんは提携の時だけいいこと言って、その後、音沙汰がない』と言われます。そのようなイメージがあることは自覚した上で、それを払拭するのは行動だと思っています。事実、事例やノウハウを提供するオンライン勉強会を毎月1回、体制として整えました。

現在はその勉強会に30~40人が常に出席し、学んでアクションした人たちの集合知が形成されています。勉強会とはいえ堅苦しくなく、ラジオのように聞きやすいトークセッションです。私はモデレーターを務め、提案をアップデートしたい方が参加しやすい場作りを心がけています」(篠原)

内容は、例えば『DX時代のオンラインセールス導入の秘訣とは』など。地方企業に営業マンは不足気味なので、なかなか行動できないところを、プロ人材が最初のアポ取りを担ってくれる事例です。『そんなことできるんだ』という発見もあり、企業様が『やらないと』と思っていることを月5~10万でできる例をお伝えし、『やってみるか』に心が動く、非常に具体的な話をする場となっています。

プロ人材活用、DXが進むと企業の幸福度はどのようにあがるのか


ランサーズはプロ人材活用、DXの推進で、企業の幸福度を上げることを目標としています。企業の幸福度を上げるとは、そこで働く人々が、仕事のやりがいや喜びの度合いを上げることです。
例えば群馬にある物流会社の場合、経営企画室が社内広報からビジョン策定、そこに関わる制作物一式を担当していました。広報誌制作なら、社員インタビューを集めてきてデザインし、校正して印刷するなどの作業があります。本来の業務の合間にデザインに不慣れな人が担当した結果、100時間以上の残業が発生していました。

そこをデザインのプロに頼むと2日ほどでできます。広報誌は半期または四半期毎の発行で、非常に業務を圧迫。そこが軽減され、経営企画でやりたい本来の仕事ができたり、社員がチャレンジングなプロジェクトに手を上げる時間と気持ちの余裕ができたりしました。残業代をプロ人材への依頼費用に振替えることで、社員の負担が軽減され、制作物のクオリティがあがります。中長期的な会社の利益を考えても、そのほうが得なのです。

また、リモートワーク可能な部署作りは、従業員がライフイベントに左右されず会社に在籍できるために重要なことです。退職は悪ではありませんが、『希望すれば続けられる』選択肢があると、在職時の充実度や業務に関連する勉強に対しての身の入り方が変わります。

例えば、長野の株式会社ヌボー生花店様の場合、メンバー全員がオンライン勤務の『支援事業部』を設置し、オンライン注文や電話対応はそこで受けることにしました。立ち上げにはランサーさんも入っています。場所を選ばずに働けるため海外在住のスタッフもおり、24時間対応です。ヌボーさんの現場スタッフは若い女性がほとんど。夕方や土日の勤務がある実店舗勤務をしながら結婚出産を考えるのは悩ましいところでした。

でもオンライン勤務の選択肢があれば、子育て期間中は在宅勤務をして、また現場に戻ることも可能に。スタッフのキャリアが分断しないのでレベルが向上、雇用も経営も安定し、お客様も良質でていねいな接客を受けられて、結果的に三方良しです。

株式会社ヌボー生花店さまの詳しい取り組みはコチラ
https://www.lancers.jp/c/case/4217/

プロに頼むハードルは低めに。でも低価格はウリではありません
プロ人材活用は、小さい単位から気軽にプロに頼める結果、コストパフォーマンスが良好です。しかしそれは決して『低価格だからコスト削減できます』という意味ではありません。
プロ人材は、日々スキルアップに努力し、請けた仕事にコミットして、最適なアウトプットを返してくれる方々。お互いに尊敬の念を持つことが良い関係性構築のポイントです。

「私たちが実現したいのは、金融機関様と連携することで、企業様に『専門家にこんなに気軽に頼める!』という驚きをご提供することです。内容や相場感を金融機関様に事前にご相談いただくこともできます。そもそも、何からはじめたらよいかが不明瞭な経営者様の最初のハードルを下げるために存在するチームです。ですから小さなことからで構いません。お気軽にご相談ください」(篠原)

若手の活躍の場をつくり、行員さんにも光を

篠原は常に、地域でイキイキと働く人が増えるための場作りや仕組み作りを考えています。その中に『若手銀行員の皆さんがイキイキ働く』ことも入ったエピソードがあるそうです。

「最初に提携した福邦銀行小浜支店様には、伝統産業である塗り箸の企業様をご紹介いただきました。それを成功事例として発表するため、金融機関の支店長と行員の方のインタビュー記事を作ったのです。それを見て本部で全体の企画営業をしている吉岡様が言ってくださったことがとても嬉しかったのです」(篠原)

それはこんなメッセージでした。
『若手行員は普段、光を浴びることが少ない。だから提案して結果につながり、インタビューされたり称賛されたりする機会を作ってもらって本当にありがたい。みんなのやる気につながると思う』(吉岡様)

「第一勧業信用組合様は吉岡様と定期的に情報交換をされていて、吉岡様のご紹介で弊社との提携を決定してくださいました。ひとつの信頼がご縁となり、また別のご縁にバトンのように渡されていくと感じました。現代は情報過多で、どれが真実なのかを見分けることも大変です。だからこそ、信頼の貯金というか、人望に厚い方に信頼を寄せていただき、大切な方へ推薦していただけることの価値が高まっていると感じています。本当に財産です」
(篠原)

地域営業の観点で行くと、営業も新しいスタイルになりつつあるのです。DX分野として、アプリやオンラインでの勤怠管理システム、PRのためのYouTube動画なども必要とされてきています。そのような分野は、若い銀行員の方も提案がしやすく、成果を出しやすいのではないでしょうか。自分らしく提案し、経営者様に喜んでもらって会社の売上がアップし、成功事例として取材される未来は素敵ですね。

金融機関に求められるのは、『ヒト・モノ・カネ』を繋いでいく期待感や新しい情報です。銀行員さんたちがイキイキ、ワクワク働けたら、それは目の前の経営者様にも波及効果があります。ですから私たちは、事例ができる都度、惜しみなくご紹介しています。例えば何かの伝統工芸で事例ができれば、ほかの伝統工芸のヒントになるかもしれません。
1つの事例は水に放たれた小石のように波紋を作り、別の事例を作るのです。

休日はクラフトビールを片手にボーッとするひととき

篠原は純粋に仕事が好きで、どちらかというとワーカホリックです。でもそれは追い立てられるようなものではありません。

「趣味ですか?幸せな働き方研究ですね。最近、人ってどういうふうに幸せになるんだろうとか考えています」と笑っています。「とはいえ、休みの日は基本的にボーッとしていたいタイプです。近所を散歩したり善光寺参りをしたりしています。子どものスイミングについて行って一緒に泳いだり、公園で子どもが遊んでいるのを見ていたりもします。

あとは、クラフトビールが好きで、気に入っているのは、気仙沼の『BLACK TIDE BREWING(ブラックタイドブリューイング)』と善光寺門前の『MALLIKA BREWING(マリカブルーイング)』ですね。どちらもおすすめですよ。ワインも大好きです。小さいワイナリーのワインは数百本しか作っていないので市場に出回らず、現地に行かないと手に入らないんですよね」仕事の話もお酒の話も、語り始めると止まらないのが篠原です。

 

▶︎文:那波りよ
塾講師・実務翻訳者・広告代理店勤務を経てフリーライターに。取材記事を得意とし、関西を中心に活動中。
https://www.lancers.jp/profile/dolphy73

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