地方創生の取り組み
事例紹介
全国の農家では、新たな種類の作物の栽培に着手する例が増えています。主な理由は二毛作による収益増や、減反によって空きが出た田んぼの有効活用としてです。2002年より、ここ広島県福富町でも新たな作物をということで、エゴマの栽培を開始しました。エゴマは非常においしくて体によい油が取れる植物です。今では町内80戸の農家がエゴマを栽培し、総敷地面積は10haとなりました。
町内の「福富物産シャクナゲ館」は、エゴマの種子を絞って油にするための機械を導入。エゴマの油7キログラムにつき2800円の使用料で貸出をしています。
これで農家は高値で売れるエゴマ油を、機械を入手せずともつくれるということです。また、エゴマは高級食用油として人間が食べるにとどまりません。広島県は非常に質の高い肉を算出する地としても知られています。その畜産への転用にもエゴマは役立ちます。というのも、エゴマを食べて育った豚は、脂肪の成分に体に良い種類の脂肪酸が増えるというデータがあるからです。エゴマの作付けがこれからも増えてゆけば、畜産の飼料としても重宝されるはずです。
エゴマは油だけではなく、搾る前の種子や葉も食べられます。これなら絞る手間を省略することができるため、農家の負担減となります。また、葉はシソに似た良い香りがする薬味として使えます。
焼き肉との相性をはぴったりで、本場韓国では肉をエゴマの葉とサンチュに包んで食べるのが普通です。エゴマドレッシングやエゴマの葉の漬物など、これからも様々な商品開発が見込めます。捨てるところがない優秀な作物だと言えるでしょう。
コメの売上は10a当たり約150000円とエゴマ10アール当たりの120000よりも売上高が高いのですが、総費用との差し引きを考えるとエゴマの方が利益が出ます。これが福富町内での農家間での、エゴマ人気の高さの理由の一つ。
こういった背景からも労力の負担が少く、利益の大きなエゴマを広めていこうというのが狙いです。また、これを町でも助成金を出すという形で応援し、エゴマによる町・農業の活性を促しています。
かつてのわが国は、コメ一辺倒ではなく雑穀や野菜など、数種類の農業を行うのが普通でした。その後農業の大規模化が進んだわけですが、それでは地域による収益の格差が大きくなるのが問題とされていました。そこで特色ある作物を栽培することで、ブランド化して地域おこしにつなげようというのが福富町の狙いです。
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