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ランサーズの地方創生推進、さすらいワークの新しい取り組みとなります「さすらい合宿」が10月13日から15日まで、岩手県八幡平市でおこなわれました。
その記念すべき第一回さすらい合宿に参加しましたフリーライターの大城あしかより、さすらい合宿の説明会に参加~2泊3日の合宿~合宿で作った作品が実際にイベントで展示されたところまでドキュメント風にレポートいたします。
時間や場所にとらわれることなく働くことができるのがフリーランスの強み。その強みを最大限に生かして、津々浦々をきままにさすらいながら仕事をする特別な働き方を提唱しているのが「さすらいワーク」です。
この取り組みは、気軽に行くことができる「宿」と「体験」をスキルを活かして活躍しているフリーランスを対象に提供しているのです。地域への移住を促す「きっかけづくり」を目的のひとつとしており、さすらいながら仕事をおこなうことで、自然に触れながら地域と密接に関わることができます。
そのようなことから地域の発展に関心を持ってもらおう、都会では感じることや味わうことのできない魅力を体験してその土地を好きになってもらおう。というような、さすらいワークの考え方が根底にあります。
地域ならではといった体験や交流をおこなう、さすらいワークを発展させた合宿バージョンが「さすらい合宿」です!チームでアイディアを出しながら取り組む企画となり、ランサーズと岩手県八幡平市がコラボして初の試みが実現しました。
スポーツ観戦が趣味である私は、好きなチームの試合を応援するために追っかけて観光に出かけることが趣味でした。このような観光旅行のことを、スポーツツーリズムと呼びます。
スポーツツーリズムを通じて地方創生に役立つことができるという実感を持っていたので、ランサーズのさすらいワークに興味を持ち、事前に登録をしていたのです。
そんな折に一通のメールが届きます。岩手県八幡平市でおこなわれる、さすらい合宿の説明会の案内でした。これはチャンスだ。と思い、説明会への参加を決めました。
9月14日におこなわれた説明会は30人ほどの参加者が集まり、すでに実施されているさすらいワークの紹介から始まり、取り組みやさすらいワーク体験者の座談会がありました。
そして、さすらい合宿の「お題」が発表されました。デザイナーとライターが2人1組になって、岩手県八幡平市の観光PRポスターを作成するということに加えて、さすらい合宿のPRランサーも同時に募集するという内容でした。
説明会には八幡平市役所から、企画財政課・地域戦略係長の関 貴之さん、商工観光課・企業立地推進係長の中軽米 真人さんのおふたりがいらっしゃっており、中軽米さんが八幡平市でのさすらい合宿について紹介をしてくださいました。
九州が地元の私にとって今まで縁遠かった東北地方の八幡平市へ行って仕事をする。という内容にとても魅力を感じました。さらに、参加募集の詳細にコピーライターの枠があることで、私が雑誌編集部で働いていた頃の経験が役に立てば。いうと思いから参加をしたいと考えました。
ただ、交通費が実費であることから、当初は少々迷っていました。
そんな時に、八幡平市の中軽米さんと、関さんから「実際に現地を見ていただきながらお話をしませんか」「皆さんと、おもしろいことを実現したいです」とお言葉をいただいたことが参加の決め手となりさすらい合宿へ応募をしたのでした。
後日、当選のメールが届いた時に思わず部屋の中でひとり「やったあっ!」と喜びの声をあげたのでした。
前日の夜に東京駅から高速バスで盛岡入り。翌朝の7時に目的地の盛岡駅に到着します。
「いよいよ、さすらい合宿が始まるんだ」という、たくさんの期待と少しの不安が入り混じった気持ちで岩手県に降り立ちました。バスを降りると息が白く見えます。
盛岡市内を観光できたらよかったのですが、仕事を持ち込んでいたのでネットカフェでお昼まで作業。ひとりお先に、働く場所にとらわれない仕事を実践します。ただ、さすらい合宿当日まで手持ちの仕事が捌けなかっただけですけど。
なんとか仕事をこなして盛岡駅へ戻ります。待ち合わせ場所のいわて沼宮内駅までは、IGRいわて銀河鉄道に乗って向かいます。
なんだか行く先を決めていないローカル線の旅をしている気分になりつつも、電車は目的地へ着々と向かいます。駅に到着する前に車内に流れてくる音楽を聴いていると、ふるさと九州のことをなんとなく思い出してなんだかウルっとしてきてしまって。
ダメだなあ。歳を取ると、こういうふとした情景が琴線に触れて涙もろくなるものです。
当日は、待ち合わせとなる駅前と合宿の拠点となる八幡平市起業家支援センターへ足を運ぶまで、参加する仲間が分からないということも一抹の不安を抱えていた理由でした。
時間になり予定人数が全員集合。いわて沼宮内駅より、マイクロバスの移動です。車内ではランサーズの事務局スタッフさんと参加者で簡単にあいさつを交わしました。バスは20分ほどで起業家支援センターに到着。自家用車で先に到着していた2名と合流します。さすらい合宿は総勢9名の参加者となりました。
オリエンテーションと自己紹介がおこなわれたのちに、すぐにバスに乗って市内フィールドワークへ向かいました。仲間となる参加者たちとは車内ですぐに打ち解けることができ、さっきまで抱えていた一抹の不安はいつのまにか気づかぬうちにフッ飛んでいたのです。
バスで各景勝地を巡るフィールドワークですが、最初はどこへ連れて行ってくださるのか分からないということが、とても楽しみでした。車内で仲間たちと「ミステリーツアーみたいだね」と話をしながら、ワクワクした気持ちで移動をしました。
さすらい合宿PR隊のメンバー3人は、このワークの様子も動画やカメラで撮影に勤しんでいました。彼らも最終日までに動画を仕上げるといったハードルの高いミッションに挑みます。
焼走り熔岩流
岩手県県民の森
松川渓谷・森の大橋からの眺め
松尾鉱山
八幡平市の中軽米さんがガイドをしてくださいまして、各地のエピソードを知ることができました。観光気分とはいえども「初めて訪れる土地で観光PRのポスターを作る」という課題に取り組むための予備知識を得ることができる限られた時間です。
フィールドワークで仲間たちと各地を巡るうちに、どんどん仲が深まっていきました。どこへ行くのか分からない状態で大自然を体感してみると、目の前に広がる景色に対する感動が格段と違ったものに感じたのでした。
=夜は現地の方と交流=
夕飯は、八幡平市に住んでいる地域おこし協力隊の方を囲んで交流会がおこなわれました。この交流会で、仲間同士のみならずランサーズのスタッフさん、現地の方々と親睦を深めることができました。
この頃には仲間たちとは今日初めて会ったとは思えないような、不思議な感覚になっていました。食事をすませると、安比高原にある宿泊施設へ移動。男女に分かれた相部屋です。
ここで事務局メンバーとランサー数人で夜遅くまで語り合いました。それぞれ関わり方は異なりますが、さすらい合宿に対する思いは変わらない。とてもかけがえのない時間を過ごしました。
前日の夜に関さんより「希望者は早起きしたら、観光に連れて行ってあげるよ」という話がありました。夜遅くまで語り合い疲労感もありましたが、せっかくの機会なので、観光に参加することにしました。
連れて行っていただいた場所は、馬を放牧している広場と安比高原にあるブナの二次林でした。目にした景色は言葉で言い表せないほど壮観で、ブナの二次林に足を踏み入れて八幡平の空を見上げた時に「妻を連れて来たい、一緒にこの景色を見たい」と思ったのです。
この時に感じた気持ちが印象に残り、PRポスターのキャッチフレーズが生まれることになったのでした。
さすらい合宿説明会に参加するまで、八幡平市のことを知りませんでした。そして、合宿に参加してから「なぜ今まで足を運ばなかったのだろう」という気持ちが湧き上がって来ました。
観光気分はここでおしまい。その後、起業家支援センターへ移動をして八幡平市PRポスター作成のチーム分けがいよいよ発表されます。
私は同じく千葉県から参加したデザイナーの黒岩さんとパートナーを組むことになりました。お互いに意見を交わして、コンセプトやターゲットを決めて、デザインとキャッチコピーを決めます。
ポスターはデザインが命です。できるだけデザイナーの意見を尊重しつつ自分が考えているキャッチコピーが映えるように、限られた時間で最大限の力を発揮することが求められます。
ハイレベルなワークでありましたが、黒岩さんと考え方やポスターデザインに対するスタンスが一致したことで、お互いのベストを作品にぶつけることができたと感じています。
結局、私たちは夜中の3時までポスター作成をおこないました。
丸一日かけてデザイナーとライターが手がけたポスターのプレゼンをおこないます。
まずは、さすらい合宿PR隊が作成した動画のプレゼンから始まりました。自分たちが映っていて、照れくさくもあり思わず微笑んでしまう親しみの持てる内容の動画内容でした。短期間にもかかわらず、クオリティが高い渾身の仕上がりに感動しました。
いよいよ私と黒岩さんの順番が来ました。
会社員時代にプレゼンや発表というものはあまり緊張したことはなかったのですが、寝る時間を割いてデザイナーさんと一緒に作った作品をフリーランスという立場でプレゼンするということで、自分だけではなくパートナーである黒岩さんの運命も決まってしまうかもしれないと思うと、気負ってしまい大きな緊張が走りました。
発表内容はグダグダでした。「やっちまった」と、だいぶ落ち込んだものでした。
他2組の仲間が作成した作品と発表が素晴らしかったので、良い結果を得ることは諦めていました。しかし、結果は奇跡的に最優秀をいただきまして、さすらい合宿の有終の美を飾ることができました。
結果を聞いたときは一瞬耳を疑いましたが、なんだかほっとしたような安心したような気持ちになりました。全力で取り組んだことが報われたと感じて、思わず黒岩さんに「よかったね」と声をかけていました。
今回のワークはデザイナーにかかるウェートが大きいと思っていましたので、デザイナーの良さを引き出すこともライターの役割だと考えていました。それだけに「よかったね」という言葉が出たのでしょう。本当によかったと思います。
プレゼンが終わった後には、岩手日報社さんより取材の場が設けられました。最高の体験をさせていただきました。心より感謝いたします。ありがとうございます。
私たちが作成した「ふたりで、はちまんたい。」のポスターが、11月5日に東京有楽町で開催される「いわて暮らしセミナー岩手×若手」のイベントでお披露目になると関さんよりお伺いしました。
ポスターが掲示されているところをこの目で確認したい!という気持ちで参加して来ました。地域おこし協力隊の古屋さんが八幡平の魅力をプレゼンするなかで、ポスターについても話題にしてくださいました。
仲間が作成した稲穂のポスターと一緒に掲示されているところを実際に目にすると、気恥ずかしくも嬉しさを隠しきれない不思議な感覚でした。そして、関さんと東京で再会できたことも嬉しくてポスターの前で記念写真を撮ってもらいました。
関さんとの会話の中で、今後も各イベントでポスターを掲示してくださると聞きました。
自分が作成に携わったポスターが全国各地で活躍の機会をいただいたと思うと、さすらい合宿に参加してよかった、八幡平市へ足を運んで良かったという思いが込み上げてくるのでした。
さすらい合宿で知らない土地へ行って、初めて会う仲間たちと短時間で成果を上げるべく課題に取り組むという経験をすることは、果たして人生において一度あるでしょうか。さらに、自らの力でその機会を作り出すことは難しいと思っています。機会をいただけるのでしたら是非ともまた参加したいです。
現在、さすらい合宿で知り合った仲間と一緒に仕事をしています。おそらく一生の付き合いになるでしょう。このような素晴らしい「さすらい合宿」を企画してくださいまして、ありがとうございます。
知らない土地で初めて会う仲間たちと過ごす3日間は、非日常でかけがえのない時間です。今後、生き方の価値観が大きく変わるかもしれません。このような機会を得ることのできる、さすらい合宿で人生を変えてみませんか。勇気を出して一歩を踏み出してみてください。
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