地方創生事例、地域活性、仕事創出「ランサーズ エリアパートナープログラム」

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コロナ禍でお取り寄せがブームとなり、地方の特産品や知られざる名品に注目が集まっています。とはいえ、数多ある商品の中から消費者に選ばれるのは簡単ではありません。特に自前のECサイトの場合、サイトに訪問してもらうことのハードルが高く、試行錯誤している事業者も多いでしょう。

そんななか鹿児島県の奄美諸島では、地域メディアが運営するECサイトで、コロナ禍に発売された特産品セットが1週間で100件以上売れて、大ヒットしました。

そのECサイトの立ち上げと記事制作に協力したのは、地域に住むフリーランスでした。

地域のフリーランスの力で120商品の記事を一気に制作、人材育成プログラムを活用

鹿児島県奄美市の「しーま」は、奄美諸島の情報を扱うサイト「しーまブログ」の運営やフリーペーパー「みしょらんガイド」の発行など、メディア事業を主とする地元企業です。地域の飲食店や農家と接するなかで奄美の物産を島外に知ってもらう必要性を感じ、ECサイト「いっちば」を立ち上げることにしたそうです。

ところがサイトオープンを予定していた2019年7月は、フリーペーパーの制作で最も忙しい時期。またいっちばで扱う商品が120種類ほどに及んだため、商品の紹介記事や写真撮影をする社内リソースが圧倒的に不足していました。

奄美市では2015年からランサーズと共同で「フリーランスが最も働きやすい島化計画」という事業を展開しています。その中でITを活用して地域で働く人材を育成するプログラム「フリーランス寺子屋」を開催するなどしてきたため、地域ではライターやカメラマンなどの人材が育っていました。

そこで奄美在住のライターやカメラマンに、商品ページに掲載する紹介文の作成や写真撮影を依頼。その結果、一気に記事制作が進み、無事サイトをオープンさせることができました。

「もっと島のことを伝えたい」という思いを持つライターが書いた商品紹介文はどれもオリジナリティあふれるもの。記事の最後には「シマッチュおすすめコメント」としてライターからの一言もついています。

しーま編集長の麓さんは「島外の人でも書ける、ありふれた紹介文にはしたくありませんでした。ライターさんは移住者が多く、みなさん島の記事を書くことに喜びを感じてくれて、実際に商品を食べたり周囲の声を集めたりして、愛のある記事を書いてくれました」と話します。

メディアで取り上げられ特産品セットに注文殺到、サイトPVは10倍! 島野菜セットもSNSで話題に

サイトオープンから数カ月後、新型コロナウイルス感染拡大の影響が島を直撃します。観光客は激減、しーまがプロデュースする観光案内所を兼ねたカフェも休業し、扱っていた食品が行き場を失いました。

そこで賞味期限が切れる前に販売しようと、商品を詰め合わせた「おうちDE奄美Trip!」という商品を発売することに。ランダムに余った商品を入れるのではなく、奄美諸島各島の商品をセレクト。専用リーフレットを作り観光パンフレットなども同封して、奄美を旅した気分になれるように工夫しました。

2020年4月に発売すると、外出自粛中でも旅行をプチ体験できるというコンセプトがウケ、テレビやネットメディアで取り上げられて1週間で100件以上も注文が入り、いっちばの月間PVも通常の10倍に跳ね上がりました。土産物店からの返品などで苦境に立たされていた地域の事業者からは、感謝の声が届きました。

この成功で自信をつけたしーまブログはEC事業を強化。地域のライターに依頼して、生産者の紹介記事などを増やしていきました。すると2020年11月末にアップした生産者の紹介記事がSNSで話題となり、今度は島野菜の詰め合わせセットが人気となりました。リピーターもつき、今後は野菜のサブスクリプションやミールキットの販売も検討しているそうです。

麓さんは「島の農家さんはネットに弱く、島内の直売所のみで野菜を販売しているケースが多いんです。島の生産物をより広く知ってほしいと思っていたので、いっちばがその役割を担うことができて嬉しいです」と話します。

計画は第2ステージへ、奄美市の今後にも期待

しーまでは、今ではフリーランスに記事制作や写真撮影のほか、データ収集なども頼んでいるそうです。「地域に仕事を頼める人材がいることはとても心強く、奄美の大きなアドバンテージだと感じています。いっちばをもっと生産者の思いを伝えられるサイトにしていくためにも、地域のフリーランスの力は欠かせません」と麓さんは言います。

インターネットを使えば、地方産品を全国に販売できる可能性があります。ただ実際に買ってもらうためには魅力的なサイトづくりが欠かせません。今回のいっちばのヒットは偶然ではなく、奄美市が進めてきた「フリーランスが最も働きやすい島化計画」が実を結んだものです。計画は第2ステージに突入しており奄美市の、またいっちばの今後に各地の自治体から注目が集まっています。

 

▶︎文:ひろみね
報道記者、大学職員を経てフリーライターに。インタビューやコラムなどを多数執筆している。
https://www.lancers.jp/profile/Merry5

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