地方創生の取り組み
事例紹介
オープンソースのプログラミング言語「Ruby」はIT開発者の中では知らない人はいない存在です。その「Ruby」の開発者が島根県松江市に在住していることをきっかけに、「Ruby」でまちおこしを始めた松江市。行政、企業、教育機関が強く連携したことで、「Ruby」の聖地としての存在感を確立し、まちおこしにつなげました。
オープンソースのプログラミング言語「Ruby」はまつもとひろゆき氏によって開発されました。全世界で400万人以上のユーザーが存在し、楽天やクックパッドなども「Ruby」を使用して自社のコンテンツを開発しています。開発者のまつもと氏は島根県松江市に在住。そこに目をつけた松江市の職員が、「Ruby」の情報を集約し、世界に発信することで地方創生をする企画を発案しました。それを契機に、松江市は2006年から「Ruby City MATSUE」プロジェクトを始動させました。
松江市が最初に取り組んだのは、地元のIT技術者が交流できる場として、松江駅前に「オープンソースラボ」という施設を開設することでした。同時に開発者のまつもと氏や地元企業、商工会、大学などが発起人となって「しまねOSS協議会」も立ち上がり、誰もが自由に参加できる勉強会や交流会を月1回以上開催。都市部や海外からRubyに関するキーパーソンが参加するようになりました。この協議会から派生して多くのコミュニティもできたことで、技術者同士の横のつながりが生まれ、技能の研鑽にもつながっています。
松江市の取り組みの成功により、島根県全体でRubyによる産業振興に取り組むようになりました。首都圏からのIT企業の誘致活動などの結果、県内のIT企業が増加。しかし、今度はRubyの技術者不足が表面化してきました。そこで、都市部からのUIターンによる技術者の確保を進めるべく、「Rubyの先進地」で働けることをアピールする説明会を首都圏で展開しています。さらに、将来的な人材育成のために、教育現場にも「Ruby」を導入。2016年からは松江市内の全中学校で「Ruby」の授業を実施しています。
市の一職員の発想がきっかけで始まった、「Ruby City MATSUE」プロジェクト。産学官が一致団結して「Ruby」の振興に力を入れた結果、見事に地方創生につながった事例ですね。今後も全国の自治体から注目を集める取り組みといえそうです。
次世代の働き方「クラウドソーシング」を活用した静岡県の取り組み事例
ゆるやかな絆と笑顔で続くコミュニティを育て見守り、女性に魅力ある市原市に。
親の働き方改革が子どもの未来をつくる!心豊かになれる選択肢を増やしたい
システムエンジニア気質の効率アップ術とモニター越しでもにじみでる親身さが武器
情報過多の現代は、『信頼貯金』が価値を創る