地方創生の取り組み
事例紹介
少子化が叫ばれる中、地方と都会では教育指導力の格差が生まれています。地方出身の子供も都会へと流れ、過疎化がさらに進むことが危惧される現状です。そんななか、統廃合寸前まで追い詰められた離島の高校が、改革によって生徒数を増やしたことで注目されています。この成功の影には無名高だからこそできた、現代のニーズに即した大胆な改革がありました。
海士町では「島前高校魅力化プロジェクト」と称して生徒数の増加を図っています。
そのための改革が進学コースと就職コースの完全二極化です。大学進学レベルの教育はいままで島内では受けられず、かといって高校の最低限の学力レベルにも達しない生徒が多いため、高学力生徒の流出を防ぐための極端なハイレベル教室である進学コースと、低学力生徒の学力を就職できるまでに引き揚げる就職コースを設置する必要があったのです。今までの島前高校では帯に短し襷に長しで、どの生徒のニーズにも合致していなかったのです。
これにより、進学コースには島内外から学習意欲の高い生徒が集まり、就職コースでは早くから手に職をつけたい生徒が島内外から集まりました。
島前高校の教員には、一流企業などで人材教育業務にたずさわったIターン人材を積極的に採用。すでに教員側で、インターネットを使った島外の講師からの授業を取り入れるなど、改革が進んでいます。彼らのノウハウを生かすためには、すでに地位を確立している高校よりも、白紙に近い地方の高校の方がやりやすいと考えたのです。
イノベーションできる意欲ある講師がそろうことで、生徒も将来イノベーターになる効果もあります。「全国高校生観光甲子園」で、島前高校の生徒グループの企画がグランプリを獲得するなど、その成果は着々と出ています。
今までの高校カリキュラムの枠にとどまらない企画として、「島留学」という企画も注目を集めています。これは、島外、県外の高校生が島前高校に訪れ、ここでしか出来ない地理的資源を用いた学習や、 島内の問題解決に取り組むというものです。
これから学問の世界に進学していく生徒にとっても、フィールドワークの先駆けとなったこの経験は貴重なものですし、社会に出ていく生徒にとっても、地域社会とのかかわり方に実地で取り組むという貴重な体験ができます。
統廃合の危機を迎えた離島の高校が思い切った改革を行ったことで生徒数を増やしました。改革しなければ消えてしまう高校だからこそ出来た、現代のニーズに合わせた高校作りは、これからの高校の形の先駆けとなる可能性を秘めています。
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