地方創生の取り組み
事例紹介
地域おこしというと巨大なオブジェをたてたり、道路を拡張したりという策をとりがちなものです。交通の活性や、イベントの誘致というメリットの一方で、それでは普段の風景持ち味が失われてしまいがちだという注意点もあります。 そこで、宝塚市は緑化とガーデニングによる町おこしでこの問題を解消。イベントはもとより、1年間をとおしての景観美に重点を置くという視点から町を盛り上げました。
宝塚市は全国に先駆けて、緑化整備を行った歴史があります。明治28年当時の六甲山の松の木は資源としての需要が高いもので、過剰な伐採によってはげ山になりました。そこで宝塚市はオーストリアから輸入した技術を用い、植樹して緑化を施しました。その努力が実り、今日の六甲山の緑あふれる景観が生まれたのです。
また植樹によって水を蓄え土砂崩れが起きにくい機能も備えました。取り組みは現在も続いており、六甲山系や長尾山系にいろいろな種類の木を植える、「地域の山並みづくり」を推進しています。
市内を流れる武庫川の上流である六甲山の緑化に成功した宝塚市。宝塚市内にも豊かな自然の姿をひろげたいと願うのは、自然な流れというものでしょう。そこで、昭和62年に「宝塚緑化推進基本計画」。続いて平成5年に「花タウン宝塚構想」を策定しました。
現在、緑化に携わる市民団体は市内に80以上もあります。各団体が知恵と出来栄えを競って、緑化という形で地域おこしをしているのです。競争の原理によって、緑化のクオリティが上がっていくシステムは特筆すべきものです。
宝塚市の花と緑による地域おこしは市が主導して行っているものだけではありません。個人の活動も高く評価され、オープンガーデンという取り組みが盛んに行われています。
宝塚市内にお住まいの方の中には、きれいな花や樹木に埋め尽くされた美しいお庭をお持ちの方たちがおり、彼らは一般の観光客に向けてお庭を開放しているのです。もちろん、ガーデニング文化を広めるイベントも充実。一例としては武庫川河川敷において、春に花と緑のフェスティバルを開催しています。
地域おこしは官民一体になって行うことが成功の鍵とよく言われており、それを実現しているのが宝塚市です。市が主体となる山の緑化や各種イベント。市民が主体となる市内の緑化やオープンガーデン。この厚みのある組織作りは、全国が参考にすべき実例のひとつです。
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